金融機関の考え方

金融機関との付き合い方については、色々な方が書籍やWEBで記載されていますが、基本は担当者ではなく、組織として金融機関がどう動くのかということを念頭に置いて会社も動く必要があるということです。金融機関はガチガチの組織ですので、決まった動き以外はできません。会社としては相手(金融機関)の動きは読めるので、非常に与しやすいです。

廃業における金融機関との付き合い方

廃業の方向性で進もうとなった場合は金融機関にすぐに相談してはいけません。これは金融機関として、廃業をする会社であると知った時には組織として、回収活動をしなければならないからです。高い確率で折り返し融資もストップしますし、担保となっている物件も売却を進められます。その結果、事業や取引先の支払いにも影響が出る場合もあります。結果として思っている形で進められなくなってしまう可能性があります。

これは多くの金融機関の判断材料は貸し出したお金を回収ができるかという判断で動くからです。担当者が事情を分かっていても、組織としての行動が異なることはよくあります。

廃業するためには個人の資産も含めて資産超過であることが必要となります。そのため、現状の資金、資産、負債を確認することから始めましょう。そして支払いが十分にできることが確認できてから、どのように処理していくかを進めて行くためのスケジュールづくりと担当者(税理士や司法書士を含む)の決定をしていきましょう。取引先への支払い、金融機関への返済計画も含めて問題なくできることを資料として作ってから金融機関へ報告してください。

破産における金融機関との付き合い方

破産の場合も金融機関には相談してはいけません。廃業の場合と同じです。回収に動くからですね。廃業と違うのは最後に金融機関に迷惑を掛けなければならなくなってしまう点です。
破産の場合は弁護士さんにすぐに相談するのも一つの方法です。ただし、破産の場合も迷惑の掛け方という点について考えておくかで形は変わってきます。弁護士さんにもよりますが、依頼者の利益を最優先とする。『債権者平等の原則』を忠実に守る。その結果、破産に至る形が望まない形となる場合もあります。
破産をしてもその後も生活をしていかなければなりませんし、必要となる関係性の維持などにおいて十分に考慮していく必要があります。会社であれば、自社だけでは完結しない関係性もあるはずです。体制を整えることが有効に働く場合も多数あります。
ただ、その場合に金融機関の優先度は低くなることが多いです。資産状況に加え、関係者、重要性をリストアップした上で、弁護士さんに相談してみてください。複数の弁護士さんに相談することも一つの方法です。もちろん当社に一度ご相談頂くのも一つの方法です。

事業承継における金融機関との付き合い方

事業承継時の金融機関との関係性はそれほど難しくありません。回収ができるか、保全ができるかということを一番に金融機関は考えるので、これを十分に担保してあげられるのかということです。
後継者の能力・人柄に問題なく、会社の経営状況に大きな問題がなければ、原則的に保証協会は保証を継続してくれます。プロパーで借り入れている場合も担保に変わりがなければ、そのまま借入は継続できるはずです。
金融機関も事業承継には積極的に関与・支援したいと考えているので、早めに相談をした方が良い結果となる場合が多いです。公的なサポートも活用しやすくなります。

問題がある場合は経営状況が悪く、後継者も決まっていない場合です。事業承継をしたいと発信するのは経営を現経営者がやっていくというものから変わるという意思表示です。経営状況が良ければ、M&A等多数の方法がありますが、経営状況が悪く、後継者もいないとなれば、回収目線にシフトする金融機関も出てきます。そうなると業務に影響がでる可能性もあります。

この場合は公的機関や地域の中小企業診断士にご相談される方法が良いかもしれません。もちろん当社にご相談頂くのも一つの方法です。